【実習編②】卒業生が語るタキイ園芸専門学校【第二弾】
この記事はタキイの実習に関する記事の後編です!
本記事では野菜第四グループ~花卉グループに関する情報を詳しくお伝えします。
タキイに興味のある方には有益な情報もあるかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください!
野菜第四グループ
第四グループで主に扱う作物は、根菜類です。
「ニンジン」、「ダイコン」、「カブ」、「ラディッシュ」などの作物を主に栽培します。
第四グループは夏季~秋季が特に忙しいです。
春季、冬季はハウス管理(ビニール交換や施設栽培など)が中心なので、そこまで慌ただしくないです。
しかし、夏季になると第三グループのように整地祭りが始まり、そのあとは播種祭りです。
播種とはいわゆる種まきのことです。
根菜類は定植ができないので、直接、圃場に播種をします。
第四グループの播種はシードテープというものを使います。
簡単に言えば、等間隔に種が入っているテープを一直線に伸ばし、それを圃場に埋めるといった感じです。
炎天下の中、常時中腰でシードテープを埋めるのですが、ただひたすらにキツイです(笑)
汗が常に肌を伝ってきますし、手汗でシードテープが張り付いたりと、とにかく大変。
さらに、シードテープは水に溶ける性質があるので、天気が急変したときは大騒ぎです。
雨が本降りになる前に手早く播種をできればいいのですが、シードテープが雨に濡れるとおしゃかになってしまいます。
大体はキリの良いところで中断して撤収します。
さらに、第四グループは整地に厳しいグループです。
扱う作物が根菜類なので、畝の高さをきっちりと高低差のないように仕上げます。
畝に高低差があると、場所によって水が溜まったり、逆に乾燥したりして作物の生長速度に差が出てしまいます。
研究のための作物なので、外的要因による生長の差は極力出ないようにします。
畝があまりにひどい仕上がりだと整地のし直しとなり、二度手間になってしまいます。
なので素早く丁寧に仕上げるように心がけて整地を行います。
第四グループのキツイ実習のもう一つが圃場片付けです。
根菜類なので、当たり前ですが作物は土中に埋まっています。
圃場は毎年繰り返し使うので、片付けの時には残渣がないようにきれいにします。
しかし、タキイの土壌は粘土質なので、風雨にさらされるとかなり固くなってしまいます。
もう大体予想がつくと思いますが、土中に残った植物体を取り出すのが地獄地獄。
時々、こんなもん無理やろ!ってレベルの埋まり方をしているものもあります(笑)
なので、とにかく第四グループの圃場片付けは大変です。。
野菜第四グループはまとめると以下のようになります。
- 主に扱う作物は根菜類
- 夏季~秋季が忙しい
- 整地に厳しい
- 圃場片付けは地獄
野菜第五グループ
第五グループで主に扱う作物も、根菜類です。
ですが、品目は「タマネギ」や「根深ネギ」、「葉ネギ」といったネギ類が中心です。
第五グループは春季~秋季が忙しいです。
春季には圃場片付けをします。
本科生が入学して初めて経験する圃場片付けは、第五グループがほとんどだと思います。
圃場片付けの大変さはそこまでじゃないですね。
玉ねぎは割とすんなり抜けますし、重さもないので入学したての本科生にはちょうど良い実習だと感じます。
結構盛り上がる実習だったので、楽しかったと記憶しています。
さて、夏季には第三、四グループと同じように整地祭りが待っています。
ただ第五グループの整地はそこまで厳しくないと記憶しています。
もちろん、あまりにガタガタな仕上がりだとやり直しになりますが、第四グループほど厳しくはないです。
整地の後は定植祭りが始まります。
個人的には第五グループの定植が難しいと感じました。
ネギ類の苗は根鉢がなく、根部が丸出しの状態で定植します。
なので、植えるときの深さが定まらなかったり、植え方も他と違うので慣れるのに時間がかかります。
あとは株間が狭いので、一畝に植える苗の量が多いです。
実習中はもちろん中腰です。
言わずもがな、腰がなくなります(笑)
秋季には収穫祭りが始まります。
ただの収穫ではなく、調査のための収穫になります。
そのため、収穫後は調査がしやすいように決められた個数ごとに並べます。
この実習は二人一組で行うのですが、対面で進んでいくので煽りあう声が良く聞こえてきます。
特に秋季は専攻科に進学希望の本科生が出てくる時期なので、彼らは標的にされやすいです(笑)
「おいおい、そんなんで専攻生になれんのかよ!」といった言葉は何回も耳にしましたね。。
冬季は主にハウス関係の実習や、貯蔵庫の管理が多くなるのでそんなに忙しい感じはないですね。
貯蔵庫での実習は、普段立ち入らない場所で行う実習になるのでかなり楽しいです。
貯蔵庫内はかなりネギ臭いんですけどね(笑)
野菜第五グループはまとめると以下のようになります。
- 主に扱う作物はネギ類
- 春季~秋季が忙しい
- 定植が独特で難しい
- ネギ臭いグループ
花卉グループ
花卉グループで主に扱う作物は、花卉です。
名前のまんまですね(笑)
唯一、野菜を扱わないグループになります。
花卉グループは通年忙しい印象があります。
農薬散布や潅水で常に忙しそうにしている専攻生をよく見かけました。
他のグループに比べて、除草や圃場片付けが特に多いように思います。
野菜のように収穫実習はないものの、四季折々の花が彩る圃場は圧巻です。
実習中も色鮮やかな花々を見ているとかなり癒されます。
ちなみに筆者が一番好きなグループは花卉です。
花卉グループは整地をその都度行うので、不定期だったと思います。
もちろん夏季も整地を行いますが、他のグループのように膨大な数ではないです。
特にキツかった実習はカンナの管理実習ですね。
三面網張りになっているカンナ圃と呼ばれる圃場で実習が行われます。
落下しているカンナの花の回収や除草を延々と行うのですが、通路の足場がぬかっているのでかなり大変でした。
また、筆者は経験していないのですが、カンナ圃の片付けもかなり地獄だったそうです(笑)
カンナは球根植物なので掘り出すのが結構大変だったとのこと。
しかも土中に球根を残すと来年に芽を出してしまうので、きれいさっぱり掘り出さないといけないみたいです。
カンナ圃の片づけをした同級生よ、お疲れ様でした。
カンナに限らず、花卉グループの圃場片付けは結構キツいです。
花は基本、植物体が小さいのでかなり体をかがまないといけません。
この時点で腰と太ももがやられるのは明白ですね。
加えて、茎や葉がちぎれやすいので、根が土中に残ってしまう可能性が高いです。
この根っこを取り出すのがまあ大変。
何度苦しめられたことかわかりません(汗
花卉グループはまとめると以下のようになります。
- 主に扱う作物は花卉
- 年間を通して忙しい
- カンナ関係の実習はかなり大変
- 圃場片付けはキツめ
おわりに(整地について)
タキイの名物実習と聞かれたらほとんどの生徒が「整地」と答えると思います。
そのくらい盛り上がる、めっちゃキツイ実習です。
整地実習では、①剣先スコップ(剣スコ)、②レーキ、③平ぐわ の3つの道具を使います。
朝、トラックの上にその3つが乗っていたらそういうことです(笑)
基本は専攻生と本科生がペアになって整地を進めていきます。
詳しい整地手順はタキイのホームページ(元校長の回顧録)の方に乗っているので省きます。
整地はかなり盛り上がります!
タキイではキツい実習ほど盛り上がる傾向があるので、整地はお祭り状態です。
※これまで整地のことを整地祭りと書いてきたのはそういう理由です。
整地はかなり重要な実習です。
整地の良し悪しによって、植物の生長が左右されるといっても過言ではないと思います。
整地はお祭り状態ですが、だからと言って楽しいことばかりではありません。
時にはどぎつい言葉をかけられることもあると思います。
しかし、そのくらい実習に真剣に臨んでいるということでもあります。
整地が終わった後は何とも言えない達成感があります。
後ろを振り返ると、自分たちが整地したきれいな畝がびっしり並んでいると思います。
ぜひこの達成感は味わってほしいです!
タキイで実習をしていると植物のすごさはもちろん感じますが、人間のすごさも同時に感じると思います。
この膨大な量の畝を自分たちだけで仕上げたのかと驚嘆するかと思います。
話は変わりますが、タキイ生はメリハリがかなりしっかりとしています。
楽しむときは全力で楽しむし、真剣なときは態度と行動で示します。
タキイが全国から生徒を集める理由や、タキイの卒業生が農業界で輝いている理由はここに集約されるように思います。
専攻生にはその信念やタキイ魂を後輩である本科生に伝える義務があります。
そういった理由からキツく当たられることもあるかと思います。
それは言葉であったり、時には実習スピードで圧倒されたりと様々な形で感じるでしょう。
本科生にはどうか折れないでほしいと思います。
実際に、入学早々、自主退学する生徒もいます。
ですが、一年タキイで過ごせば確実に変わります。
人間として大きく成長します。これは断言できます。
しかし、受け身ばかりでは変われないのも事実です。
タキイでは自分から率先して動く癖をつけてください。
そして、一回りも二回りも大きく成長してほしいと思います。
長くなりましたが、実習編はここまでとさせていただきます。
いかがだったでしょうか。
これをきっかけにタキイに興味を持ってもらったり、入学の後押しになれればうれしく思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。