【卒業生談】タキイ園芸専門学校の概要まとめ
滋賀県湖南市にあるタキイ研究農場付属園芸専門学校。
農家を志す若者が毎年集まるこの学校は、別名「農業の東大」と呼ばれています。
農業高校や、農業大学校にいた人なら聞いたことがあるかもしれません。
かくいう私も、高校は農業科だったのでタキイのことは教師から聞いていました。
今回は、私がタキイ園芸専門学校に在籍していたころの話を書いていこうと思います。
細かくお伝えしてしまうとネタバレのようになってしまうので、印象的だったことを中心に書き記していきます。
タキイに興味がある方の参考になればと思いますので、最後までどうぞお付き合いください。
農業の東大と言われる所以
タキイ園芸専門学校がなぜ農業の東大と呼ばれるのか。
一言でいえば、「農業漬けの生活」になるからです。
タキイでは、①実習、②講義、③寮生活 の3つ柱が重要になります。
タキイでの生活はその3つに集約されるといっても過言ではありません。
それぞれ詳しく話していこうと思います。
①実習
タキイでは入学式の翌日から実習が始まります。
実習と言ってものんびりとした農作業ではなく、ガチガチのハードモードです。
正直、初日で心が折れかける生徒も多いです。
実習では重たいゴム長靴を履いて、農場まで走って移動します。
専攻生と呼ばれる、タキイ2年目の先輩が先行して移動しますが、これがまあ早いこと。。
さすがはタキイ2年目という走りで、驚く暇などなく、みんな必死に食らいついていきます。
高校時代に陸上部や野球部だった生徒はなんとかついていけますが、それ以外の生徒は顔をぐしゃぐしゃにして走っていきます。
グループ(タキイでは全6グループに分かれて実習をします)によっては、気持ちゆっくりめに走ってくれる専攻生もいます。しかし2週間もたたないうちに全員爆走し始めます。
言わずもがなですが、タキイはごりごりの体育会系です。
タキイの校風は昔ながらというか、かなり古臭く感じると思います。
「精神論」という言葉がぴったりという印象です。
事あるごとに「気持ちで負けてる」みたいなことを言われます。
実習によっては怒号が響いていることもありますし、雰囲気が良くないときは掛け声がかかったりします。
「よ~~~しゃ~~~~!!、○○、声出てねえぞぉぉぉぉぉ!!」
このような叫び声が圃場のあちこちから聞こえてきます。
でも不思議とやる気がみなぎってくるからやめられないんですよね。
実習に関する詳しい記事は下のURLからどうぞ!
②講義
タキイでは外部から講師の方をお招きして講義を行っています。
講師陣は京都大学や近畿大学といった著名な大学からお越しいただいているので、講義のレベルは高めの印象を受けました。
私の学生時代はちょうど新型コロナウイルスが流行っていた時期でしたので、一部の講義はリモート形式で行われていました。
講義は週に2回(水曜日、土曜日の午前)開講され、1コマ3時間で行われます。
途中に休憩時間はあるものの、大半の生徒は眠そうに受講していた覚えがあります。
時々、校長が見回りに来て、寝ている生徒を起こすというのが一種のルーティンのようになっていました。
前期・後期ともに期末には試験があります。
試験と言っても、プリントや教科書の持ち込みが可能な試験も一部あります。
赤点を取ってしまうと、追試や補修プリントを課されるため、みんな必死に勉強します。
テスト期間になると自習室に誰かしらいるので、協力し合って勉強する姿が多くみられますね。
講義に関する詳しい記事は下のURLからどうぞ!
③寮生活
個人的にはタキイでの学校生活で寮生活が一番重要に思います。
タキイでは実習のおける、仲間との協力や団結がものすごく大事です。
そして、その協力や団結の根幹は寮生活にあるといっても過言ではないのです。
タキイでは寮が自分の家です。当たり前ですが、これは生徒全員に言えることです。
今までは実家で、自分のプライベート空間があるのが普通だったのが一変します。
本科生(1年生)は相部屋になるので、2人で1部屋という割り振りになります。
当然、プライベートな時間はほとんどなくなりますが、その分、仲間と過ごす濃厚な時間が待っています。
寮で共同生活を行うわけですから、必然的に生徒同士の仲は深まります。
仲良しグループも勿論できますが、ほとんどの生徒と話せるようになるはずです。
ここで思い出していただきたいのが、「実習における協力や団結の根幹は寮生活である」ということ。
協力や団結において最も重要なのがコミュニケーション能力。
察しの良い方ならもうお気づきかと思いますが、寮生活で仲間同士過ごした時間は、実習のおける協力や団結に還元されます。
逆に、寮生活を誰とも関わらないスタンスで過ごしてしまうと、実習の際にかなり困る羽目になります。
そのくらいタキイでは寮生活が重要になってきます。
寮生活に関する詳しい記事は下のURLからどうぞ!
おわりに
私自身、タキイ園芸専門学校で1年過ごしてみて感じたことは、農家を目指している方のみならず、何か自分を変えるきっかけが欲しい方にも入学してほしいということです。
将来的に農業に携わりたい方は言うまでもないですが、この学校に入り、がむしゃらに学業に励むことで人間として確実に成長できます。
また、タキイで身につけたスキルは農業のみならず、今後一生使える自分だけの強みになります。
さらに、この学校でできた交友関係は生涯続くと言えます。
全国各地にネットワークができるのは農家になるならないに関わらず、かなりの武器になります。
そういった点からもいろんな方にこの学校を勧めたいと個人的には思います。
こんな学校は他にはないと断言できるくらい面白い学校なので、ぜひ気になった方は調べてみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。